2011年9月17日土曜日

思わず似てしまうキャラクターと著作権法の話

ちょっと前に山口県のキャラクター『エコハちゃん』がポケモンのピカチュウに似ているのでは?という話があったのを憶えている方もいらっしゃると思います。
しかし、子供にも親しみやすいような線の少ないキャラクターをデザインしようとするとどうしてもパターンが限られてくるというのはキャラクターデザインに少しでも関わったことがあれば誰もが思うところです。

それについて事情を知らない第三者がパっと見で脊髄反射的に「パクりだ」とか騒ぎ立てるのもどうなのかな、と思うわけです。

それに、それを言い出すと

厚生労働省の献血キャラクター『けんけつちゃん』のチッチ
(画像は厚生労働省ウェブサイトよりスクリーンショットで引用)
このキャラクターなんかも、まあ言いようによってはポケモンなら『ピチュー』あたりに似てないこともないわけですし、さらにはそんなけんけつちゃんにも

岩塚製菓のスナック菓子『ふわっと』のキャラクター、ふわら
(画像は岩塚製菓ふわらウェブサイトよりスクリーンショットで引用)
のようにかなり近いデザイン文法をもったキャラクターが存在しているのです。

それはそれとして、どちらも超かわいいですね。わかりやすい形だし。
余談ですが岩塚の『ふわっと』はとってもおいしいお米のチップスです。

さて、じゃあこういうのが著作権法上ではどう取り扱われるのかという話をしたいと思います。
著作権法では著作権を取得するための手続きなどは特に必要とされていません。これは『無方式主義』と呼ばれています。これによって著作者が創作を行った時点において自動的に著作権が発生するという仕組みになっているのです。
そして創作物が偶然に以前あった著作物に似てしまったというケースについては基本的に著作権の侵害にあたると判断されない場合が多いです。

あつめて! カービィ 関係ないですけど任天堂のカービィなんてすごいですよね。あそこまで単純化したキャラクターを自社ブランド内に組み込まれてしまうと他所はなかなか対抗しにくいです。やったもん勝ちです。
物心つくかつかないかという幼い頃に、なんかよくわかんないけどカービィみたいな絵を描いたような覚えのある人も多いことでしょう。


そんな曖昧なことでいいのかと思う方もいるかもしれませんが「知らないうちに誰かの著作権を侵害してしまうかもしれない」という不安のあまり自由な表現が阻害されるようだと文化の健全な発展に支障となるという考え方から著作権法ではこのようになっています。なのでなんでもパクりパクりと食ってかかる人にはその辺りについても少し考えてみてほしいな、と思います。
もちろん今書いたことはあくまで偶然のケースに限られます。誰かが以前に作った著作物について知っていながら似せて作るのは著作権の侵害にあたります。当然これはやってはいけないことです。

加えてここで言及した著作権と、特許をはじめとする産業財産権を混同してしまっている方も時折散見されますね。大きな括りでは同じく知的財産権ですが、産業財産権は著作権とは異なる仕組みのもとに成り立っているので注意が必要です。

創造の狂気 ウォルト・ディズニー創造の狂気 ウォルト・ディズニー
ニール・ガブラー 中谷和男 by G-Tools

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