2011年9月13日火曜日

『思想地図β vol.2』を読んで

あの3.11から半年。

僕らが立っている場所はあれ以前とは同じように見えてもどこか違うのかも知れない。そんなこと少しだけ思います。

あの日、そしてあの日から暫くの間続いた報道や人々が発信するソーシャルメディアでの夥しいほどの情報と感情の渦、渦、渦。
告白すると実はあの当時、ほんの一瞬だけとはいえ自分の脳裏には不謹慎で破滅的な気持ちがよぎったりさえしました。

「いっそコイツで世の中がオレの都合のいいほうに変わってくれねぇかな」
なんて。

それはとても恐ろしいことです。
でもあの情報と感情の渦はそれほどまでに僕を混乱させかけたのです。

そして思ったのは、大きな出来事が起こった時、人はつい言葉に本質以外のものをたくさん乗せてしまう傾向があるのではないか、という事。
「その発言は感情的すぎる」とか「不謹慎であろう」とか吹っ掛けてみたりとか、憶測や機に乗じたバッシングとか。
何が始まったのか、あるいは何が終わったのかもわからない情勢下で「そして希望はあるのか?ないのか?」なんて話は後回しにしてくれ、僕は今何が起こってるか…『リアル』を知りたいんだ。と思ったものです。

いくらか月日は経ちましたが、僕が今手にしている一冊の本『思想地図β vol.2』は僕らに何が起こったのか、その『リアル』を淡々と、時に感情的に、僕らに伝えてくれます。
特集はストレートに『震災以後』。まさに震災以後のこの半年、言葉が、情報が溢れかえってさながらオーバーフローしそうだった世界のなかで本当に聞きたかった言葉はここにあるのかもしれません。

この本からいくらかのリアルを受け取ってみて僕としてはようやくここ半年に対する思考の整理がいくらか進みました。
だから今はこう言えます。

希望は、たぶん、ある。

思想地図β vol.2
思想地図β vol.2東浩紀 津田大介 和合亮一 藤村龍至 佐々木俊尚 竹熊健太郎 八代嘉美 猪瀬直樹 村上隆 鈴木謙介 福嶋亮大 浅子佳英 石垣のりこ 瀬名秀明 中川恵一 新津保建秀

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