基本情報技術者試験(FE)の午後問題を抜粋して対策していきたいと思います。
問題冊子及び解答例はIPAのページからPDFを入手できます。
今回は平成18年春の午後問題から問3を解説します。
平成18年春 午後 問3 通信ネットワークの信頼性についての問題
直列・並列の通信回線の稼働率にまつわる問題に解答していきます。また、この回線は条件に応じて確保しなければならない通信速度が定められているという点が重要なポイントとなります。
(問題冊子より引用) |
『空欄a』は通常時に必要な通信速度(40Mbps)を確保できるネットワークの稼働率。図中にある回線はどの経路を用いて通信した場合でも40Mbps以上の速度を確保できるため、図中の回線全体の稼働率を算出すればそれが答えとなります。
すると、拠点B⇄C間は稼働率0.9と0.8の回線が並列となっているため並列の稼働率を求める式にそれぞれ代入し、
1-(1-0.9)×(1-0.8)=0.98 (並列部B⇄Cの稼働率)さらに拠点A⇄B(稼働率0.9)とB⇄C(稼働率0.98)間を直列として考えるので、
0.9×0.98=0.882 (回線全体の稼働率)これが通常時(40Mbpsを確保する条件下)での稼働率『空欄a=オ. 0.882』です。
『空欄b』は週末に必要な通信速度(50Mbps)を確保できるネットワークの稼働率。通信速度50Mbpsを満たすには拠点B⇄C間は図下側の回線しか使用できないため、今度は稼働率0.9のA⇄Bと稼働率0.8のB⇄C(下側)の直列構成となります。よって、
0.9×0.8=0.72
これが週末(50Mbpsを確保する条件下)での稼働率『空欄b=イ.0.72』です。
設問2では先の回線に新たに稼働率0.9、通信速度40Mbpsの回線を追加する問題です。
(問題冊子より引用) |
(1)は100MbpsのA⇄Bに40Mbpsの新回線で並列化してしまうため、週末、月末(50M,100Mbpsが必要)では通信速度の不足により新回線を利用できず、稼働率は向上しません。
(2)、(3)についてこの問題では、本文より"複数の回線が存在する場合、その間の通信速度は各回線の通信速度の和になる"とされていることから、従来は通常時にしか使用されていなかった既存の40Mbps回線が多重化され通信速度が足し算されることで週末や月末にも使えるようになるケースが発生する結果、通常時、週末、月末すべての場合で稼働率が上がるということになります。よって『空欄c』は『カ. (2)又は(3)』です。
また、先程も出てきましたが文中に"複数の回線が存在する場合、その間の通信速度は各回線の通信速度の和になる"とあるため、多重化(並列化)されている箇所が多いほど今回の問題では通信速度の面でも有利になっていきます。よって『空欄d』はA⇄B間とB⇄C間の両方を多重化して速度向上を図ることができる『ウ. 3だけ』が最適解ということになります。
ここでは大雑把に解説していますが、実際には(特に設問2)各条件下での稼働率を式を立ててひとつずつ計算する必要があると思います。根気よく解いていきましょう。
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